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こんにちは。NovaEraのパーソナルトレーナーの中島です。
大学必勝コラムです。大学入試必勝コラム第5回のテーマは京都大学の数学です!
京都大学入試問題の理系数学では記述式で大問が6題出されています。
出題分野は微分・積分、確率、数列、整数などが頻出となっていて、それぞれの分野の基礎知識から応用知識までがバランスよく揃っていないと点数が取れないようになっています。
また、小問を連続することで連鎖的に答えを出していけるという問題はあまり出題されずに自分で答えを組み立てていく論証問題が出されています。
論理的に答えまでを記述していく力が必要と言えるでしょう。
文系数学では大問が5題出されており、2時間の試験時間です。
こちらも小問からすべての答えが誘導されているものは少なく、完全に解けるかまったく解けないかという差が出やすいようになっています。
出題はベクトル、数列、確率、整数などが出題されており、発想力や論理力が問われるものが出ているものの、基礎ができていれば絶対に解けないというものは出ていません。
しっかりとした基礎の土台ができているかどうかが重要となっていきます。
2019年の京大理系数学の出題形式を基本にして、出題傾向をまとめていきます。
大問 | 単元 | 出題内容 |
1 | (1)集合と論証・三角関数
(2)積分 |
(1)三角関数の有理数、無理数条件
(2)定積分計算 |
2 | 整数 | 3次式が素数となるnの値 |
3 | 図形と式、積分法 | 三角形内部の動点の軌跡と面積 |
4 | 確率、数列 | 確率漸化式 |
5 | 微分法 | 球に内接する四角錐の体積の最大値 |
6 | 複素数平面、指数・対数 | 極形式、常用対数の融合問題 |
150分間で6つの大問が出題され、すべて記述式で答える形式となっています。
京都大学は「学者養成」という教育目的があるために数学では「方程式」「ベクトル」「行列」などの「代数学」の出題が多いという特徴があります。
また、他の大学のように小問がなく、大問1題を論理的に記述することができる力が求められているというのも重要なポイントと言えます。
特に整数問題の出題率が高く、同じ年度に2問出題されることがあるほどです。
ただし複雑な計算を延々と行うという形式の問題は少なく、問題を論理的に解くことができるか、答えまでの道筋を組み立てていけるかということを重視していることがわかります。
証明問題が多いというのはその表れで、証明問題や論理的な組み立てが問われる問題が他の大学よりも突出して多いために昔から「論証の京大」と呼ばれる理由となっています。
そのため計算を解くことに時間がかかることはあまりないために、論理的に解く道筋が早くに見つかった場合は短い時間で解答することが可能となっています。
これには京大の出題方針として計算ができるということではなく、問題の本質を読み解くことができる力を持っているということを評価するという方針が見えます。
2019年の京大文系数学の出題形式を基本にして、出題傾向をまとめていきます。
大問 | 単元 | 出題内容 |
1 | (1)式と証明
(2)指数関数 |
(1)整式の除法
(2)常用対数、桁数と最高位2桁 |
2 | 2次関数 | 2次関数の最小値 |
3 | 不等式、図形と方程式 | 不等式の成立条件 |
4 | 確率、数列 | 確率漸化式 |
5 | 微分法 | 球に内接する四角錐の体積の最大値 |
文系数学は普通理系数学と比べると易しいことが多いのですが、京都大学の文系数学に限ってはそれほど易しくないというのが特徴です。
理系数学との共通問題や類似している問題も出題されており、文系数学としてはかなり難易度が高いというのが実際です。
こちらは大問が5題となっており、理系数学と同じく小問が細かくあるわけではなく、大問1題ごと解くという形式になっています。
難易度は年によって細かい変動はあるもののここ数年はある程度安定しています。
2002年ごろまではとにかく難易度が高く、難しいと言われていましたが2003年ごろから少しずつ難易度は下がってきました。
しかし2007年から再び急激に難しくなり、その後何度か変化がありながら2014年以降はほぼ一定の難易度となっています。
とにかく変わらないとされているのは、
「表面的な知識やテクニックだけでは解けない」
「基礎の土台がしっかりしていないと解けない」
「問題の本質が読み取れないと解けない」
「論理的な思考、組み立てができないと解けない」
ということです。
大問ごとに見ていくと幾何が絡んだ難問が出題されていることや、余事象を使用する確率が出ていることで正解と不正解の差が大きく出ていることが分かります。
特に確率は正解と不正解の差が激しく、ここで点数を落とさないということが絶対条件となっていると言えます。
理系数学は30点の大問が2題、35点の大問が4題で合計が200点満点となっています。
出題されている傾向としてはベクトル、数列、確率、整数の問題が多くなっています。
また、数Ⅲの範囲である微積や極限の分野が出題されるというのが文系数学との違いです。
全体的には論理的な問題が多く、計算は少ない傾向があるのですが微積に関しては計算量が多いので計算の速度と正確性が求められています。
6題すべてが発想力、思考力、論理力を問う問題ばかりですので基礎を固めたうえで応用力をつけていなければ太刀打ちできないようになっています。
出題傾向は理系数学と似ており、ベクトル、数列、確率、整数問題が多く出題されています。
30点の大問が5題で150点満点となっており、小問が少なく1つの大問をしっかりと解くことで点数となるようになっています。
そのため完全にその問題を解くという「完答力」が問われるようになっており、論理的に組み立てた答えを書ききるという力が求められています。
特に整数問題は高い難易度で出題されていますので、対策を立てて臨みましょう。
理系数学は全問記述式で6題の大問を150分で解答します。
30点問題が2題、35点問題が4題出題されており、どの問題が何点の配当がなされているかについては問題用紙に記載されているために配当を見てから解く順番を決めるということも可能となっています。
基本的には30点の問題は理系数学、文系数学の共通問題となることが多く、比較的簡単な方とされていますが年度によっては30点の配当の問題であっても高い難易度の問題が出題されたことがあるために油断することはできません。
実際にどの順番で解くのがよいかは試験問題を見て判断するのがもっとも確実です。
文系数学の場合は全問記述式で5題の大問を120分で解答することになります。
30点の問題が5題で150点満点となりますが、記述問題ばかりのために時間配分も重要となります。
採点に関しては多くの記述問題で減点式となっているので、論理的な組み立てがどこまで正しくできているかが問われることになります。
どれだけ点数を取れば合格となるかという合格点の目安ですが、これは当然年度によって違っています。
学部によっても大きく違い、理系最難関である医学部では大問4~5題、割合にして7~8割が目安に、その他の理系の学部であれば大問3題+αで部分点、割合では6割前後というのが目安となっています。
文系の学部では大問5題のうち2題+αで部分点~3題、6割前後が目安となります。
もちろん超難問が多いときにはこれよりも低い正答率でも合格となることはあります。
2007年、2008年、2009年、2012年はかなり難易度が高かったために5割以下の正答率でも合格者が多数出ています。
京大の数学は小問がなく論理性を問う大問が多いために採点は非常に慎重に行われます。
一つの答案を理系学部の教授Aが採点、教授Bが採点、二人の採点を突き合わせて協議、最終確認にて点数を決定という複雑な採点方法となっています。
これは安易に部分点を与えて加点をするのではなく、どこまで的確に解答できているかを厳しく減点していくためのものであり、採点基準はかなり厳しくなっています。
そのため、最終的な答えが正しいから満点というわけにはなりません。
・論理的に破たんしている
・不自然な文章や計算式のつながりがある
・途中の過程を飛ばしてしまっている
という部分は大幅に減点されることになります。
例えば問題の要点が「場合分け」であった問題ではそれを見落として論証をしていった場合はほとんどの点数が減点されていくことになります。
大問自体で求値問題、もしくは大問の中で中問として求値問題が出題されているときは最後の答えが合っているかどうかがもっとも重要となります。
最後に導き出した答えが間違えていれば点数は無得点となります。
部分点に関しては大問ごとに区分が分けられて設定されています。
その区分内を完成させていれば部分点が与えられるということになり、区分が完成していない場合は点数は与えられません。
そのため、完成していない答案に対しては非常に厳しい採点となるのが特徴です。
しかし、注意しなければならないのが、とにかくただ書けば良い、というものではないということです。
問題の本質を読み取って、その解答に向かって論理的に進められている文章や計算式には点数が与えられますが、とにかく字数を稼ぐための証明や記述、計算などに関してはまったく点数が入りません。
むしろ採点をしている教授に対して印象が悪くなってしまうために、まったく答えを思いつかない、発想できないのであればダラダラと書き連ねていくことはやめましょう。
理系数学であれば大問6題、文系数学であれば大問5題を制限時間内に解かなければならず、その全問が記述式で論理的解答を求められていることから時間配分はかなり重要と言えます。
まず問題に一通り目を通し、自分が「いける」と判断したものから解いていくことになります。
しかし京大の数学は「完答」が求められるために、どの問題も中途半端に答えていくというのはしてはいけません。
その大問を解ききるという形式で答えなければいけないために、すべての問題を解くことができないという可能性もあります。
ただ、どの問題も最後までたどり着けずに終わるくらいであれば、取り掛かった大問を解ききるという方が点数は取りやすくなっています。
過去問題や予想問題を「色々なパターンで時間配分をしてみる」ことで、どのパターンならもっとも多く、確実に答えていくことができるかを試してみることが重要となります。
また、大問には発想力が重視されている問題と複雑な計算式を立てていかなければならない大問があります。
発想力が問われる問題に関しては、論理的な組み立てが早い段階で閃いた場合は短時間で問題を解くということも可能になる場合があります。
計算式を何重にも重ねていかなければならない問題は時間がかかることは確実なので、解く順番としては後回しになります。
まずは最後まで答えを書ききることができる大問から完成させていきましょう。
つまり知識は教科書や参考書レベルでも十分なのです。
ただし幅広い知識は求められます。
対策としてはまず高校の数学内容において頻出、定型とされるような解き方を完全に固めていくことから始めることです。
基本的な公式、よく出る解法、パターン的な問題については徹底的にやり込むことで問題を読んでから解き方を閃くまでの速度を上げていく必要があります。
その後に参考書や問題集をやり込んでいくことになりますが、京大数学の場合は機械的に数をこなしても役には立ちません。
その問題の本質を考え、重要なポイントは何なのかをじっくりと考える必要があります。
そしてその答えまでの道筋を論理的に組み立てて仕上げるということを心掛けていきましょう。
また、計算量自体は他の大学と比べると少ない方ですが、それだけ密度が濃い計算問題が出ているという意味でもあります。
微分積分、方程式、不等式、三角関数など計算が絡む問題は早く確実に解ける練習をしておくことが重要です。
知識に関しては文系数学であっても数Ⅲの知識があった方が良いでしょう。
実際に数Ⅲの範囲が文系数学で出題されることはありませんが、数Ⅲの知識があることで発想や思考がしやすいというメリットがあります。
同様に指導要領に含まれている解法だけでなく含まれていない解法で正解までたどり着いた場合でも論理的に正しい解き方であれば点数はもらえます。
ただし問題の本質から外れている解き方で正解までたどり着いた場合は点数がもらえないことがあります。
そのため問題を見たときにその問題の本質にあった解き方を採用するのが効率的に点数をとることにつながると言えます。
これらをマスターしていくためには赤本などの過去問を徹底的に解き、大問まるごとを論理的に解ききる練習を積み重ねていく必要があります。
その際、「なぜその答え方になるのか」ということを追求することを忘れてはいけません。
自分で模範解答などを眺めてもわからなかった場合は学校の先生、塾の講師、家庭教師などに指導を受けて、どのような組み立てでその答えになるかを理解することを積み重ねていきましょう。
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京大は科目数も多く、学習もバランスよくこなすことが必要になります。
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ここでは独学に役に立つ参考書・問題集について記載します。
参考にしてください。
◇「大学への数学 1対1対応の演習 数学Ⅰ」
◇「大学への数学 1対1対応の演習 数学A」
◇「大学への数学 1対1対応の演習 数学Ⅱ」
◇「大学への数学 1対1対応の演習 数学B」
◇「大学への数学 1対1対応の演習 数学Ⅲ(曲線・複素数編)」
◇「大学への数学 1対1対応の演習 数学Ⅲ(微積分編)」
国立難関大学、早慶レベル以上を目標とする生徒の土台となる問題集です。解説も丁寧であり、独学でも十分に対応できます。
◇「理系数学 入試の核心 難関大編」
東京大学、京都大学、東京工業大学、早稲田大学、慶應義塾大学の問題を取り扱っている問題集です。難関大学を受験する生徒の最後のブラッシュアップとして重宝される実戦問題集です。
◇「チャート式シリーズ 新課程入試対応 数学難問集100」
「入門の部」と「試練の部」に分かれており、「入門の部」は整数・比較・幾何・複素数平面・空間の直線・平面の分野別の問題に取り組むことができます。
「試練の部」では全分野の問題に取り組むことができ、頻出単元に特化する勉強の仕方や、全分野からの学習を強化する学習方法など、様々な用途に対応ができる問題集です。
◇「大学への数学 微積分 基礎の極意」
微分積分に特化した問題集です。微積の基本から難関大学受験レベルまでの問題が並びますが、微積を極めるのであれば、この1冊で十分です。
◇「文系数学 入試の核心」
文系入試頻出問題100題を集約し、すべて入試問題を用いています。単元ごとにまとまっているので、自分の苦手な単元を重点的に学習ができます。
◇「入試精選問題集4 文系数学の良問プラチカ 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B」
東大・京大・一橋大受験生からの支持を得ている問題集です。この1冊で文系数学の解法パターンはすべて身につき、解答も詳しいので、理解は非常にしやすい問題集です。
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